岩橋山
◆医学情報―脳と腸との関係―書評 ――――2018-06-05--462
腸は「第二の脳」と言われるが、腸内細菌の活躍を重要視されて久しいものです。人間の病との微生物との関わりをもう一度再確認及び再発見したいと思います。
「あなたの体は9割が細菌: 微生物の生態系が崩れはじめた」
作者:アランナ・コリン 翻訳:矢野 真千子
出版社:河出書房新社
発売日:2016-08-15 2,160円(税込)
● あなたの体は9割が細菌: 微生物の生態系が崩れはじめた―
2003年、ヒトゲノムプロジェクトによってヒト遺伝子の配列が99%解明された。しかし、それだけでは、当初期待されていたような、疾病原因が一気に解明されるということにはならなかった。その理由の一つとして、疾病原因には、人体の持つ遺伝子だけではなく、人体に共生する微生物が関係しているという点が指摘されている。
本書は、ヒトと微生物の集合体(微生物集団=マイクロバイオーム*1)から構成される人体にとって、微生物の遺伝子の解読はヒト遺伝子以上に重要であると述べている。
アメリカのみならず増えているのは肥満だけではない。胃腸疾患にアレルギー、自己免疫疾患、そして自閉症などの心の病気もそうである。そのような、とくに20世紀半ば以降に急増している疾患は、「現代病」ないし「21世紀病」と呼ばれている。しかし、そもそも現代病はどうして急増しているのだろうか。
その点を説明するものとして、近年、わたしたちの体内にいる微生物、とくに腸内細菌が注目を集めている。腸内細菌説によれば、現代病がこれほど増えているのは、腸内細菌の全体(マイクロバイオータ)のバランスが崩れていることと強く関係している。そして、本書もまたそのような見方をしており、マイクロバイオータと健康の関係を明らかにしようとしている。
●ヒトは腸内細菌と共生している―
ところで、私達各人の腸にはなんと100兆もの微生物がいる。そして、彼らは私達にただ便乗しているのではなく、私達に多大な利益をもたらしてもいる。
ここで、ウシの消化について考えてみよう。ウシは草食動物であるが、自らの力だけでは繊維質の草から栄養分を取り出すことができない。そこで、ウシの祖先が進化の途上で見出したのは、その仕事を腸内細菌にアウトソーシングするという戦略である。
ウシは細菌たちに棲み家と食べ物を提供する。その代わり、細菌たちには上記の仕事を担ってもらう。ウシと腸内細菌の間では、そのような形で利害が一致しており、見事な共生関係が築かれているのである。
そして、ヒトもまた腸内細菌と共生しており、彼らから多大な恩恵を受けている。必須ビタミンを合成してもらったり、食物繊維を消化して短鎖脂肪酸を産生してもらったり。
そのように、ヒトの生存にとって腸内細菌は不可欠な存在であるが、しかし、とくに20世紀の半ば以降、両者の幸せな関係に亀裂が入り始めている。それは、抗生物質の過剰使用などにより、腸内細菌の生態系たるマイクロバイオータが乱されているからである。
●肥満もマイクロバイオータのバランス喪失のせい?―
抗生物質の過剰使用などによってマイクロバイオータのバランスが崩れること、また、そのことが引き金となって過敏性腸症候群などが生じることは、これまでにもたびたび指摘されている。ただ、本書の著者によれば、マイクロバイオータの混乱によってもたらされるのは、そのように「腸に始まり腸に終わる病気」だけではない。じつは、肥満も含めた現代病の多くがその影響を受けているというのである。
では、マイクロバイオータの混乱によってどうして肥満がもたらされるというのだろう。その点を十全かつ簡潔に説明することはむずかしいが、ここではとりあえず、「エネルギーの吸収」という点に着目してみよう。
まず、マウスを使った実験の結果が衝撃的だ。太ったマウスと通常マウスの腸内細菌を調べると、その組成比がずいぶん異なることがわかる。
具体的には、太ったマウスの腸内には、通常マウスの半分ほどしかバクテロイデーテス門の細菌がおらず、そのぶんフィルミクテス門の細菌が多くなっているのである。とすると、そうした細菌の組成比の違いが、肥満か否かに違いをもたらしているのではないだろうか。
そこで、肥満マウスと通常マウスそれぞれの腸内細菌を無菌マウスに植えつけるという実験が行われた。はたして結果は、通常マウスの細菌を植えつけられたマウスは体重がそのままだったのに対して、肥満マウスの細菌を植えつけられたマウスはたしかに太った(!)のである。だがそれにしても、いったいどうしてそんなことが起きるのだろう。
それは、「腸内細菌の組成比が、食べ物からエネルギーをどれだけ引き出すかを決めている」からである。腸内細菌は、宿主には消化できない食べ物(宿主の食べ残し)を食べているが、じつはその第二ラウンドの消化作用も宿主のエネルギー摂取に寄与しているのである。
それ故、腸内にどんな細菌がどれほどいるかによって、食べ物からどれだけのエネルギーが引き出されるかも変わってくる。先の例でいうと、肥満マウスの腸内細菌を植えつけられたマウスは、同じ餌から2%多くカロリーを吸収していると考えられる。
そして、その余分なエネルギー摂取が積み重なって、最終的には顕著に太ってしまうのである。「微生物があなたに代わって食べ物から余分にエネルギーを引き出すのだとしたら、あなたが食べ物から得るカロリー量を決めるのは標準換算表ではなくあなたの微生物群だ」というわけである。
八経ヶ岳の秋―天川村
●10% Human―
というように、肥満と腸内細菌群のあり方はけっして無関係ではないと考えられる。そして、1940年代以降に抗生物質が広く普及し、マイクロバイオータのバランスがしばしば崩れていることが、肥満増加の大きな一因になっているだろうというのである。
本書ではさらに、そのほかの現代病(自閉症、アレルギー、自己免疫疾患)と腸内細菌の関係についても詳しく論じられている。のみならず、抗生物質の過剰使用などがもたらす悪影響や、また最終的には、健全なマイクロバイオータを維持ないし回復する方法(プロバイオティクスや糞便移植)についても言及されている。いずれも示唆に富む議論なので、読者も最後まで気を抜かずに読みたいところだろう。
ところで、本書の原題は『10% Human』という。邦題でも表現されているように、細胞の数で比較するならば、ヒトの細胞1個に対して、人体に棲む微生物の細胞は9個にも及ぶという意味である。
しかし、これまで述べてきたように、ヒトと体内微生物の共生がそこまで深く徹底したものであるならば、「こっちはヒト、あっちは細菌」というような区別もある意味では改めなくてはならないのかもしれない。というのも、わたしたち自身が健康であろうとするならば、90%たる微生物達のことも気にかけてやらなければならないからである。
その意味で、本書は「ヒトとはどんな存在であるか」を考え直すきっかけをも与えてくれる。著者もこう語っている。「私自身と私のマイクロバイオータはまとめて一つの『チーム』なのだ」と。
著者自身の深刻な体験談から始まり、本書ではつねに刺激的で興味深いトピックが続いていく。著者はサイエンスライターであるが、そのテーマの掘り下げ方はまさに見事の一言に尽きるだろう。サイエンス好きの人は、ぜひ本書を堪能してほしいと思う。
(http://honz.jp/articles/-/43201より転載)
新緑の森
ウバユリ―岩橋山東山麓
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【 マイフォト 】
みたらい渓谷の秋―天川村
初瀬川土手に咲く撫子の花―桜井市(20180520)
初瀬川―桜井市
鳥見山公園の勾玉池―宇陀市
久延彦神社展望台の夕陽②
外鎌山山頂の夕景(奈良県桜井市)
高野山 奥の院へ(和歌山県)
外鎌山(293m:桜井市忍阪)―大和三山等の展望良好!
加太港海岸夕景二月四日
初瀬川(背景には外鎌山)―桜井市
大神神社(奈良県桜井市)
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☀ 雨の日には雨の中を
風の日には風の中を
歩こう。 ☽
❀ 冬の樹氷 春の草花 夏の新緑 秋の紅(黄)葉
四季折々の美しい輝きに癒される。 ❀
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《 日誌MEMO(予定&結果・感想等 ) 》 -2018年(平成30年)-
(※二月は徐々に体調普通に戻る、仕事は後半好調に進む。NB学習不調。)
(※三月は、体調普通。仕事やや不調。N B不調・・登山5回 )
(※四月は、体調=普通。仕事=不調。NB微か進歩)
5月01日(火)荷受、仕事。近所W= 5900 歩。☆ (晴のち曇 )
5月02日(水) 仕事。近所W= 5100歩。 ☆ ( 雨 )
5月03日(木)仕事。W= 5800歩。 ( 雨後曇 )
5月04日(金)荷受、仕事。W= 6300歩。☆ (晴のち曇 )
5月05日(土)明日香村サイクリング散策(3名)夕仕事。W= 21000歩。☆☆☆△ (晴 )
5月06日(日)仕事。W= 5400歩。☆ (晴のち曇 )
5月07日(月)仕事。W= 6900歩。☆ ( 雨 )
5月08日(火)荷受、仕事。W= 4800歩。▲ ( 雨 )
5月09日(水)仕事。W= 5300歩。☆ (晴のち曇 )
5月10日(木)仕事。W= 5500歩。☆(Y氏 TEL応援あり) (晴のち曇 )
5月11日(金)荷受、仕事。W= 8900歩。☆ (晴 )
5月12日(土)仕事。W= 12500歩。☆☆(晴のち曇 )
5月13日(日)仕事。W= 4600歩。 ▲ ( 雨 )
5月14日(月)仕事。W= 5400歩。☆ (晴のち曇 )
5月15日(火)荷受、仕事。W= 10200 歩。 ☆☆(晴のち曇 )
5月16日(水)仕事。W= 5300歩。☆ (晴のち曇 )
5月17日(木)仕事。W= 6700歩。 ☆ (晴のち曇 )
5月18日(金)(荷受なし)、仕事。W= 5900歩。 ☆ ( 雨後曇 )
5月19日(土)仕事。W= 11500 歩。☆☆ ((晴のち曇 )
5月20日(日)仕事。W= 6200歩。 ☆ ((晴 )
5月21日(月)仕事。W= 6800歩。 ☆ ((晴 )
5月22日(火)荷受、仕事。W= 12800歩。 ☆ ((晴 ) (Y氏よりS条件変更あり)
5月23日(水)仕事。W= 4900歩。 ▲ ( 雨後曇 )
5月24日(木)仕事。W= 5800歩。 ☆ ((晴 )
5月25日(金)仕事。W= 8400歩。 ☆ (晴のち曇 )
5月26日(土)仕事。W= 5100歩。 ☆ ((晴 )
5月27日(日)仕事。W= 4800歩。▲ (晴のち曇 )
5月28日(月)仕事。W= 6300歩。 ☆ ( 曇 )
5月29日(火)<最終荷受>、仕事。W= 8800歩。 ☆ ( 曇 )
5月30日(水)仕事。W= 5100 歩。 ☆ ( 曇 )
5月31日(木)仕事。W= 6400歩。 ☆ ( 曇後雨)
(※五月は、体調=普通、仕事=やや回復傾向。NB不調。)
6月01日(金 )仕事。W= 7600歩。☆(晴)
6月02日(土 )仕事。W= 6900歩。☆(晴)
6月03日(日)仕事。W= 5300歩。☆(晴のち曇) 6月04日(月 )仕事。W= 6800歩。☆(晴のち曇)
6月05日(火 )仕事。W= 12400 歩。☆(晴のち曇)
6月06日(水)仕事。W= 歩。
6月07日(木)
6月08日(金)仕事。W= 歩。
6月09日(土)仕事。W= 歩。
6月10日(日)仕事。W= 歩。
6月11日(月)仕事。W= 歩。
6月12日(火 )仕事。W= 歩。
6月13日(水)仕事。W= 歩。
6月14日(木)仕事。W= 歩。
6月15日(金)仕事。W= 歩。
6月16日(土)仕事。W= 歩。
◆なら山遊会◆「イベント」についてー仕事等の都合でしばらくは中止と致しました。^^;再開の節は皆様またご参加宜しくです。※登山イベントアップ再開は事情にて早くて6月以降となります。どうぞ ご了解下さいませ。
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【myPFOTO】
久延彦神社展望台下の桜風景
飛鳥の里ー棚田風景
大和の夕焼け空―奈良県桜井市三輪山麓より
加太湾の夕景
"高野山 奥之院御廟"